11月12日、埼玉・鳩ヶ谷駅のエスカレーターで女性専門学校生のスカートの中をスマホで盗撮したとして、NTTドコモの社員が逮捕された。


「ドコモ社員がドコモのスマホで盗撮」として話題になった事件だが、今年の夏以降、こうしたスマホによる盗撮事件が急増している。
9月19日にも東京府中市の分倍河原駅で同様の犯罪が起こり、警察学校所属の男性巡査が逮捕された。



なぜ、スマホの盗撮事件が増えているのか。盗撮事情に詳しい都内某信用調査会社の社員K氏がこう指摘する。


「おそらく、逮捕された男もスマホのカメラ機能の“シャッター音”を消していた。本来、このシャッター音が盗撮の抑止力になっている。ところがスマホの場合、簡単にシャッター音を消すことができるのです。正規のマーケットで撮影時の音を消すアプリが普通に販売されていて、インストールするだけでいい」


ガラケーの場合には本体に手を加えなければ、カメラ機能のシャッター音を消すことは不可能だった。
よって、よほど専門的な知識のある人以外は、改造してまでシャッター音を消そうとはしなかったはず。
それがスマホの場合は、マーケットで簡単に専用アプリを買うことができ、誰でもすぐに使用できるのだ。


またシャッター音を消す以外にも、アヤしいアプリは多数存在する。

撮影中、何もしていないかのように画面が真っ黒に偽装されるアプリ、撮影した画像を秘密の保存場所に隠せるアプリなど。盗撮の現行犯逮捕の決め手が、画面での犯行目視と押収したカメラのデータ確認であることを考えると、明らかに意図的なものを感じる。


だがこれらは当然、「盗撮用」とは謳(うた)っておらず別の用途説明がなされており、あくまでも使い方はユーザーに委ねられている。

つまり、アプリを販売してもお咎めなし、アプリを購入してもお咎めなし。悪用したときにアウトとなる。そのため規制が入っていないのが現状だ。



スマホが進化すればするほど、それを悪用する人間も増える。

いくら気軽にできるからといって、一度でも盗撮してしまったら、相手に深い傷を与えてしまうこと、自分の人生が台無しになることを忘れてはならない。