若者たちが一つ屋根の下で過ごす様子をドキュメンタリータッチに描いたテレビ番組「テラスハウス」が人気を集めたことで、空前のルームシェアブームが起きている。 20代前半の若い男女が楽しく和気あいあいと過ごす生活――。
そんなルームシェアにアラサー男が住んだらどうなるのか。
そこで、「ルームシェアに住んだら若い彼女ができるかもしれない」と淡い期待を抱きつつ、昨年末に東京都葛飾区のルームシェア(家賃5万円)に引っ越したばかりの38歳の独身男・Tさんに話を聞いてみた。
まずTさんがルームシェア先に選んだのは居住者50人ほどの大規模ルームシェア施設。
そこの一部屋を借りて住んでいる。
その部屋というのは2畳ほどの空間にユニットバスが完備されているが、収納スペースはなく、唯一の家電はドンキホーテで購入したテレビ(3万円)だけが置かれていた。
「38年も生きていれば、それなりに荷物があるものですが、それらを置くスペースなんてありません。
だから、引っ越すときに必要最低限のものだけ残してあとは捨ててしまいました。
一応、月額1000円でレンタルボックスを借りられるので、そこにも荷物は置いていますが」
ビジネスホテルを改築したというTさんのルームシェア。
地方に出張したときに泊まる格安のホテルを想像してもらえば、わかりやすいだろう。
それが毎日生活する自分の部屋なのだ。
ルームシェアである以上、部屋の狭さはある程度我慢できる。
だが、Tさんが悩むのは、ほかのルームシェア仲間との関係だ。
「入居するときに、LINEのグループに参加させられて、そこでいろいろな情報交換がされているんです。
『今日肉じゃがつくったので、キッチンにあつまれ~』『今から大広間で卓球しませんか』とか。
一回、料理をつくったという集まりに参加してみたんです。
でも、僕以外はみな20代前半で、スゴく楽しそうに盛り上がっているんですが、僕とは話が噛み合わなかった……もう料理の味も覚えていません」(Tさん)
シェアハウスに引っ越して1か月のTさんだが、すでに引きこもりがちに。
キッチンが共同のため、自炊することもできず、主に夕食はマクドナルドのハンバーガーをテイクアウトして2畳の部屋で食べているという。
「施設は充実しているシェアハウスなので、シアタールームがあるんです。
せっかくだから、と深夜そのシアタールームで一人、ももいろクローバーZのライブDVDを観ていたんですよ。
誰か来たら打ち解けられるかな、と期待していたんです。
そうしたら、ドアがガチャって開いて……でも、上の階の人で『うるさいから音量を下げてもらえませんか』って怒られてしまいました」(Tさん)
入居前に抱いていた「20代前半の若い彼女」など当然作れるはずもなく、20代の若い男女の輪に入ることもできないTさん。
「このシェアハウスは、最低半年間は住み続けないといけない契約なんです。
残り5か月……地獄ですね」とのこと。
38歳にもなって、初めてのルームシェア生活を始めるには、相当な覚悟が必要のようだ。
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