テレビ番組の中に当たり前に存在していたコーナーが、いつの間にか消えていることを。

これも規制が進んだ結果だろうか。テレビの制作会社プロデューサーが、その事実を教えてくれた。


「消えていく企画があるのは仕方ありませんが、やはり寂しさもありますね。それは、血液型占いですよ。
以前はフジテレビの『とくダネ!』でも『血液型選手権』と題して行っていました。
ですが、今は血液型の性格分析などの企画もできません」(テレビ制作会社プロデューサー)


確かにこのような企画は見なくなった。
このような血液型に関する企画は、“やらない”のではなく“やれない”のが実情だという。


「全ては視聴者からのクレームがきっかけです。
以前、『B型 自分の説明書』(文芸社)という本がベストセラーになり、テレビでも血液型にまつわる特番がいくつか放送されました。
しかし、血液型と性格の関係は科学的な根拠はなく、たくさんのクレームが来てしまったのです。
それ以降はこうした特番はもちろん、すでに存在していた血液型コーナーも終了させる運びになりました」(同・テレビ制作会社プロデューサー)


科学的な根拠はないが、自分の血液型に関する性格分析の中には思い当たる節もあった。
また、占いコーナーで自分の血液型の運勢が良いと言われれば、朝からうれしかったことを覚えている。
あくまでもひとつの意見として放送はできなかったのだろうか。


「通販番組のように『個人の感想です』などのテロップを入れれば、放送できなくもないのでしょうが、基本的にはもはやタブーな企画扱いです」(放送作家)


しかし、血液型占いはNGとされる今も、星座による運勢を放送する番組は存在する。
こちらは良いのだろうか。


「今のところは、まだ問題ないとされています。
ただ、今はミニコーナーとしての扱いなので視聴者も大目に見てくれているだけで、星座占いをメイン企画にした特番を作ってしまうと血液型の時と同様にクレームが舞い込み、放送できなくなる可能性もあります。
そのため、今後どうなるかは分かりません」(同・放送作家)


確証がないのだから、風当たりが強いのは仕方ないのかもしれない。
しかし、全てが規制対象となってしまうのも考えものだ。


テレビがつまらない、どれも同じ番組ばかりなどの声を最近よく聞く。
しかし、現場の製作者からすれば、『なんでもかんでもクレームを入れないでほしい』という本音もあるという。
多少のユルさを受け入れる世の中の大らかさがあってもいいのではないか。
このままいけば、続々と名物コーナーが消えていき、さらにテレビはチープなものになるかもしれない