ついに始まったAppleの音楽サービス「iTunesMatch」。


なぜこのサービスが「待ちに待った」とまで言う人が出るほどのものなのか?
既存のサービスで同じようなことをするとなれば、どうするのかを比較することで、その存在意義を考えてみよう。

CDからコンピュータに取り込んだ音楽ファイルを、スマホなどモバイル端末から聞くサービスといえば、あのGoogleも「Google Play Music」を提供している。
こちらは約2万曲がアップロードでき、現状では無料だ。

しかし、このサービスは、日本からの利用は原則としてまだ解禁されていない。
もし利用するならば、ブラウザのアドオンなどを使ってアメリカからアクセスしているように偽装する必要があるなど、「裏ワザ」が必要でハードルが高く、権利関係でもグレーゾーンと言える。
アップルが動いたことで、こちらも正式に日本対応となるのか注目したいところだが、まだそのようなアナウンスはない。

オンラインストレージサービスとオンラインストレージに保存した音楽を再生できる「クラウド音楽プレイヤー」というアプリを使う手もある。
「CloudBeats」(iOS)や「JUST PLAYER」(Android)などがあり、対応するサービスから対応したアプリを選べばいいだろう。

10GBのオンラインストレージであれば約1000曲(10MB/曲の場合)が保存できる。無料で容量を増やせる特典を利用し、50GBの容量がもらえる「Box」でも5000曲相当なので、十分とは言えない容量かもしれない。

有料プランで容量を増やせすのはどうだろう?
Dropboxの200GBプランが年間199ドル=約2万円で、約2万曲を保存できる計算となる。
「iTunes Match」のアップ容量は2万5000曲なので、10MB/曲の場合250GB相当。
マッチした曲はアップロードしないので、250GBを使い切るわけではないが、年間3980円というのはオンラインストレージサービスと比べると割安なのだ。

このように、他に比肩する既存サービスが少ないのである。
そのため、「待ちに待った」と絶賛する人も出てくる、というわけである。

とはいえ、3980円という利用料金は、やはり高い。
なにしろ、アメリカ25ドル、ノルウェーが42ドル、インドは20ドルと、アメリカやインドより割高なのだ。

しかし、この中にはレコード会社など著作権者へのロイヤリティも含まれているのだとか。
とすれば、日本でレコード会社などとの交渉の末落ち着いたのがこの金額だと考えるのが妥当だろう。

違法アップロードではなく合法的にクラウドに置いた音楽を楽しめるのはユーザーにしても便利な限りだが、実は著作権者にもメリットはある。
「iTunesMatch」でアップした曲を再生したり、再ダウンロードしたりすると、その都度著作権者へのロイヤリティが支払われるというのだ。
カラオケと同じ仕組みと言えばイメージしやすいかもしれない。

アメリカで「iTunes Match」がスタートした後、音楽配信代理店であるTuneCoreは、2か月間で1万ドルの支払いがあったことを報告している。

日本ではまだ始まったばかりのサービスであり、まだまだ多くの改善点は確かにある。
しかし、「iTunesMatch」が日本の音楽業界にどのようなインパクトを与えるのか、この先も注視していきたい存在なのは間違いない。