ニセ作曲家疑惑の渦中にある佐村河内守氏(50)が7日午前、都内のホテルで“釈明会見”を開いた。


テレビカメラだけで50台。記者、スチールカメラマンを含めると300人を超える報道陣が詰め掛けた。
欧米や中国など海外メディアの姿もあり、237平方メートルという広い会場はすし詰め状態だった。

会場では事前に、横浜市による佐村河内氏の診断結果が配布された。
そこには「感音性難聴だが、身体障害者福祉法に基づく聴覚障害者には該当しない」との内容が記されていた。

会見は11時5分にスタート。佐村河内氏は髪をバッサリ切り、サングラスを外して登場。
ヒゲも剃っていたため、まったく別人に見え、報道陣からざわめきが起きた。
ネット上では直後から「おすぎにソックリ!?」の声が相次いだが、さらに驚いたことには手話通訳を伴っていた。

冒頭で関係者の実名を挙げて深々と頭をさげて謝罪を繰り返した。
その中にはフィギュアの高橋大輔の名もあった。

しかし、会見の内容たるや、自己弁護とゴーストライターの新垣隆氏(43)への恨みつらみだった。
今回の疑惑を暴露したのは新垣氏だが、佐村河内氏は「新垣氏が『こんなことはやめましょう』と何度も言ったのは全くのウソです。彼は一度もやめましょうと言ったことはありません」と否定した。昨年、「新潮45」のリポートを読んで、初めて「やめましょう」と言ったことを明かし、「18年でただ一度だけです」と猛反論した。

さらに興味深いのはギャラのくだりだ。
「彼(新垣氏)がこの時期に暴露したのは大きな疑問」とし、「新宿の喫茶店で打ち合わせしたとき、私がギャラの金額を提示し、彼(新垣氏)はまず首を横に振った。そのあと値を吊り上げると、ウーンと渋い顔をし、さらに吊り上げると、『いいですよ』となる。これがやめたい人の発言でしょうか」と言い放った。

さらに週刊文春のスクープ記事のコピーを見せながら、「線を引いた部分は真実ではありません」とメディアへの反撃まで口にした。

全聾については、「私は耳が聞こえるのに手話通訳をつけているといわれます。3年前から聴力が回復したのは事実ですが、歪んで聞き取れないこともあります。手話は偽りではありません」。
ただし障害者に該当しないと診断されたため「障害者手帳は返納した」という。障害者年金は受け取っていないと言った。

質疑応答で18年間の反省について聞かれると、のらりくらりと答え、改めて「反省は?」と聞かれてやっと「悪いと思っています」と語った。
謝罪会見かと思ったら、最初に頭を下げたあとは新垣氏への攻撃が目立ち、新垣氏を「名誉毀損で訴える」と言い切った。

今後、新垣氏が反論すれば、さらに泥仕合になりそうだ。