初の年間視聴率3冠を目指すテレビ朝日が、29日午後6時半から「痛快!ビッグダディ」最終回を放送する。


上り調子の同局にとっては、悲願達成のための“最終兵器”といえそうだ。
だが、この番組編成にテレ朝内部から大ブーイングが湧きあがっている。
「上層部は“二枚舌”だ!」との声が噴出しているのだ。
せっかくの好調に水を差しかねない内紛の真相とは――。


テレ朝は視聴率争いでライバルの日本テレビとデッドヒートを繰り広げている。
3冠(全日帯=午前6時~深夜0時、ゴールデンタイム=午後7時~午後10時、プライムタイム=午後7時~午後11時ですべて1位の視聴率)を奪取すれば、1959年の開局以来、初の快挙となる。

早河洋社長(69)が、11月末の定例会見で「最終週までわからない状況だ」と語った通り、白熱した争いは続く。

そして悲願成就の“最終兵器”が「痛快!ビッグダディ『完結編』さすらい密着2760日!涙と笑いの最終回スペシャル」と発表された。ところが、だ。

「局の上層部はダディにずっとブチ切れていたんです」と、テレ朝局員はこう声を潜める。

「きっかけは、彼が4月に出版した『ビッグダディの流儀』。
ダディシリーズは局としても視聴率20%近くが計算できるキラーコンテンツで、書籍化すればベストセラーを見込めた。
だから局の出版部で本を出したかった。それなのに、出版社(主婦と生活社)にかっさらわれて、上層部が『なんでウチで書籍化できなかったんだ!』って怒っちゃったんです」

このため、上層部は「今後ダディを扱うな」と通達。
ダディが春からイベントを開いても、テレ朝としては完全無視。
自社が育てた人気者なのに取材クルーの姿はいつもなかった。

象徴的だったのが、1日に行われた兵庫・尼崎市のゆるキャラ「ちっちゃいおっさん」のイベント。
ダディはゲスト出演したが、テレ朝のケータイ芸能サイトは記事でひと言も触れず、写真は「ちっちゃいおっさん」のみ。
ダディをいなかったことにして“露出NG”状態にした。
これまでダディ外しの命令に従っていたスタッフは今回、上層部の方針転換に「二枚舌ですよ!」との声を上げているのだ。

12・29という放送日も非難に拍車をかけた。
視聴率を集計するビデオリサーチ社は「今年の年間視聴率の対象期間は、2012年12月31日~13年12月29日。
年またぎになっているのは、視聴率の集計の週初めを月曜と規定しているため」だという。つまりテレビ各局にとって年間視聴率集計の最終日が29日だからだ。

「その日は、人気番組を編成してラストスパートするのが通例です。
今年の春以降、ダディをNG扱いにしているのに、視聴率集計の要の日にダディシリーズ最終回を持ってくるなんて、節操がない」(テレ朝スタッフ)

一部では“賞味期限切れ”とも報じられたダディだが、話題の本線である「痛快!ビッグダディ」の番組、それも最終回なら視聴率を稼げるとの判断が上層部にはあったとみられる。

今年最後の目玉と早い段階で社内決定されていれば、盛り上げようもあっただろう。
なりふり構わない手のひら返しで、3冠を逃した場合、さらにスタッフの不満が爆発しかねない。