男子マラソンのロンドン五輪代表選考会第2戦となる東京マラソンが、2月26日に開催され、現在無職の“苦労人”藤原新(30=東京陸協)が日本勢トップの2位でゴール。

タイムは07年12月の福岡国際マラソンでの佐藤敦之(33=中国電力)以来、約4年3カ月ぶりの2時間7分台となる日本歴代7位の2時間7分50秒の好記録で、五輪代表の座を確実にした。

藤原は長崎県立諫早高校、拓殖大学を経て、JR東日本に入社。
08年2月の東京マラソンで2時間8分40秒の自己ベストをマークし、同年の北京五輪代表補欠となった。
同年12月の福岡国際マラソンで3位(2時間9分47秒)、10年2月の東京マラソンで2位(2時間12分34秒)の成績を残したが、同年3月にJR東日本を退社。
同年7月に健康用品の製造・販売をするレモシステム株式会社(本社・大阪市)と3年間のスポンサー契約を結び、プロランナーとなった。
しかし、同社の経営難により、給与が支払われなくなり、昨年11月で契約解除。所属先がない藤原は日本陸協所属として、今レースに出場した。現在、貯金を切り崩しながら練習に明け暮れている無職の藤原は、「賞金(2位で400万円)に目がくらんだ」と冗談とも取れぬコメントを残した。

五輪代表選考会第1戦の昨年12月4日の福岡国際マラソンでは、公務員の市民ランナーである川内優輝(24=埼玉県庁)が日本勢トップの2位(2時間9分57秒)となったが、皮肉にも五輪代表選考会において、2戦連続で実業団に属していない選手が日本勢トップとなった。
日本陸連にとっては選手育成の点で、まさに面目丸潰れ。
日本陸連の坂口泰男子マラソン部長は「素直に認めないといけない。マラソンには色んなやり方がある。実業団は従来のやり方だけじゃなく、現実を見て、新たな感覚を取り入れないといけない」と白旗宣言。

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その川内はより良いタイムを残すため、東京マラソンにも強行出場したが、給水失敗も響き、2時間12分51秒で14位に終わった。
藤原が好タイムを残し、五輪代表を確実にしたため、残り2枠。最後の五輪代表選考会は3月4日のびわ湖毎日マラソンで、07年福岡国際マラソン3位の佐藤、2時間9分台の記録を持つ堀端宏行 (25=旭化成)、中本健太郎 (29=安川電機)、佐藤智之 (31=旭化成)、昨年12月の福岡国際マラソン4位の今井正人 (27=トヨタ自動車九州)らが出場予定。同レースの成績上位者と川内、東京マラソン6位(2時間8分38秒)の前田和浩(30=九電工)あたりとの争いとなるが、日本陸連強化委員会の河野匡副委員長は、川内について「福岡は練習の一環で、東京を狙っていたというのが事実」と語り、注目の市民ランナーには厳しい状況となったことを示唆した。

>>東京マラソン

なお、東京マラソンには多数の有名人、著名人が参加。東国原英夫前宮崎県知事(4時間7分14秒)、AKB48・秋元才加(5時間34分13秒)、元K-1王者のアーネスト・ホースト(5時間16分46秒)、オードリー春日(5時間44分50秒)、猪瀬直樹東京都副知事(6時間40分29秒)、TBSアナウンサー・久保田智子(3時間55分21分)、日本テレビアナウンサー・水卜(みうら)麻美(5時間24分14秒)らが完走した。