フジテレビが開局55周年特別ドラマと銘打った「抱きしめたい! Forever」。

トレンディードラマの代表作の復活版だけに、フジ関係者は「15%は堅い」と勘定していたが、視聴率12.9%とビミョ~な結果に終わった(1日放送、ビデオリサーチ調べ=関東地区)。

最近はゴールデンタイムに視聴率1ケタ台が続出。
それらと比べたら「並以上」だが、カネと時間と労力をかけた「周年ドラマ」だ。
半年前から「トレンディードラマの金字塔、W浅野復活」と大々的にPR。
主演の浅野温子(52)と浅野ゆう子(53)を雑誌の対談や同局のバラエティー番組に“番宣要員”として駆り出し、当日の一般紙にはカラーの全面広告を打った。
そんな万全の態勢で臨んだ結果がこれとなれば寂しさは隠せない。

88年、バブル真っただ中に放送した。その後も3度のスペシャルを放送、今回は14年ぶりの新作だ。

連ドラ放送当時は男女雇用機会均等法が施行されたばかりだった。
浅野温子扮する短大卒の麻子が都心のプール付きマンションに住み、売れっ子スタイリストとしてどでかいケータイを抱えて奔走する様子は、世の女性に夢を与え、心をつかんだ。

それから時代は変わり、キャストは年老いた。
それを逆手に取って、大人が見るトレンディードラマを作ったというが、コラムニストの今井舞氏は「どういう了見で制作したのか理解に苦しむ」と、こう続ける。

「開局55周年の節目に、25年来の女の友情を描いた連ドラも放送から25年――。そんな切りの良さだけで復活させてしまったという印象。
まるで上層部の指令のもと、現場は腫れ物に触るように、でも、心の中で半笑いしながら作ったかのようでした。
W浅野はカッコよく年を重ねた女優ですが、ドラマでは互いの役名を呼び合い、ただ抱き合うだけ。
吉本新喜劇かと見間違うほど。もし仮に50歳を越えても美しくて元気で強いヒロインの生きざまを描いたとするならば、チャンチャラおかしい。
今ではタブー扱いの喫煙シーンがやたら多いぐらいで、なぜ今、このドラマなのか。必然性が全く感じられませんでした」

タイトルこそ同じだが、看板倒れの内容だった。
もっとも単なるアニバーサリーでさしたる主張がないのがトレンディードラマの王道といえば、それまでだが。